盆地

1/27、1/28の土日(日帰り2日)を使って秩父地方に行ってきた。

秩父三社へ参詣し、今年の目標達成を誓う。
ついでに秩父名物豚みそ丼やみそポテトを食らいつつ、少し早かったけど宝登山ロウバイの香りを楽しんだり、以前から行ってみたかった日本最初の流通貨幣といわれる和同開珎鋳造のきっかけとなったと伝えられる和銅遺跡も訪問するなど週末の小旅行も楽しんできた。

 

 

 

秩父地方へはかれこれ通算10回くらいは訪問しているだろうか。でも行けば行くほど魅力を再発見してしまうので全く飽きが来ない。

羊山公園の芝桜や長瀞のライン下り、そして秩父といえば有名な秩父夜祭秩父の象徴ともいえる武甲山両神山などの秩父の山々にも登った。アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」で知られる"超平和バスターズ三部作"の聖地巡礼も楽しかった。行ってみたいけど行けていない場所もまだいくつもある。

 

 

関東周辺で観光資源に恵まれているエリアは他にもあるとは思うのだけれど、何故か秩父をリピートしてしまう不思議(近場には鎌倉もあるのに)。旅のさなか、自分はなぜ秩父に惹かれるのだろうとふと考え、気がついてしまった。

豊かな自然に囲まれ、歴史的な街並みの残る盆地の地方都市--秩父は松本に似ているのだ。自分にとって青春時代を過ごした松本市は語り尽くせないほど想い出深い地方都市だ。

もちろん引っ越した後も松本方面へ旅をしたことは何度もあるのだけど、地理的にちょっと遠い松本とギリギリ首都圏の秩父とでは旅の手軽さが全く違う。そういえば岡山に住んでいた時は津山がお気に入りだった。ここも同じ盆地の歴史ある地方都市。もし東海地方に住んでいたら高山に足繁く通うようになっていたかも知れない。

 

相生あおい「盆地ってさ、結局のところ、壁に囲まれてるのと同じなんだよ。 私達は、巨大な牢獄に収容されてんの」

 

映画「空の青さを知る人よ」より

 

松本に住んでいた時は盆地の息苦しさ、退屈さに飽き飽きして早くここから抜け出したい、東京に出たいという思いが強すぎて、松本で得られたもののかけがえのなさに気がつくことができなかった。そしていざ松本を抜け出した時、大切なものを失ってしまったこと、それを取り戻すことは二度とできない事実に気がついたこと、その喪失感を埋めるように自分は秩父を旅していたのかもしれない。

なんだか「元カノに似てるから」みたいな理由(きっかけ)で秩父には大変失礼な話かもしれないが、でも今では秩父も松本に負けないくらい好きな街になってしまっている。松本にも秩父にもそれぞれ良いところがあるし、秩父にしかない魅力もだんだん分かってきたところだ。

 

 

また暇ができたら秩父に遊びに行きたい。
心の穴を埋めるためではなく、空の青さを探すために。